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御殿場口登山道の歴史
2023年は御殿場口開設140周年です
御殿口登山道の歴史を調べてみました

                                   Photo by 東風


大正7年(1918年) 富士登山案内図


御殿場口登山道の始まり
1872年(明治5年)に明治政府により富士山の女人禁制が解禁されました
1873年(明治6年)実業家の伴野佐吉ら沿道の有志が県庁に富士山新道開発の出願をし、1882年(明治15年)に許可がでました
1883年(明治16年)伴野佐吉が私財で一年がかりで整備し、御殿場口登山道が開通しました
1889年(明治22年)東海道線が開通し御殿場駅が開業すると、駅からの登山者が増えて御殿場口も賑わうようになりました

登山道の中でも一番新しく、登山道に急斜面や岩場が無く、女子供でも安全に登れる登山道というキャッチフレーズで登山客を呼び込んでいました

御殿場市内の桜公園の県道23号線沿いに「富士山道路開通記念」の石碑があります


新五合目
現在、御殿場口新五合目がある場所は、もとは二合目と言われていて、御殿場市営スキー場が営業(1975年〜1990年)していた頃は、富士急バスの二合目バス停がありました
1960年代に他の登山道が登り口を新五合目と名乗り始め、御殿場口も登山者を呼び込もうと二合目を新五合目と呼び換えたため、本来の五合目を新六合目と呼ぶようになりました
7合目から上は呼び方を変えていないため、新五合目から新六合目まで一合なのに1150mも標高差がある登山道となりました

御殿場口の山小屋
登山者の増加に伴い1887年(明治20年)に岩室(山小屋)が二合目に建設され、1892年(明治25年)年には富士山東表口組合が結成され「富士登山ニ関スル営業人規約」がきめられました
1894年(明治27年)には、太郎坊から山頂まで12の岩室(山小屋)がありました
※「玉穂の歴史」(玉穂報徳会 発行)より


大正時代の岩室(山小屋)の一覧です
※「地方史研究6」(御殿場市教育委員会 発行)より


富士登山集 御殿場途上
大正時代の御殿場口の絵葉書です 興味がある方はリンクをクリックしてください


昭和20年代の御殿場口には、各合目ごとに小屋や気象庁の施設があったようです
昔の金剛杖の焼印や、インターネットで検索した情報から調べてみました
まだ充分に調べきれていないので、けっこう間違いや抜けがあるかもしれません
旧xx合目に関しては、国土地理院の地形図の合目を表示しています(内は現在の合目です)

1 旧一合目:太郎坊小屋

廃業
太郎坊のバス停があります
2 旧二合目下(新五合目):新五合目駐車場(1440m)

売店と公衆トイレがあります
シーズン中はトレイルランナー向けの施設が開設されています
3 旧二合目(新五合目上):大石茶屋(1520m)

営業中
新5合目から10分ぐらい、かき氷はお勧めです
4 旧二合五勺(新五合五勺):次郎坊小屋(1920m)

休業中
登山道の登りと下りが交差する地点にあります
次郎坊の分岐で道を間違えて、下山道を登ってしまう人が多発しています
5 旧二合八勺:気象庁避難小屋(中継小屋)(2085m)

世界遺産の関係で?2013年に取り壊しされました
この建物が利用できれば、御殿場口はもっと登りやすくなるのに。。。と思っていました
ここから須山口下山道が接続しています
6 旧三合目:アザミガハラ(2150m)

廃業
写真は大正時代の絵葉書です
7 旧四合目:万次郎小屋(2440m)

廃業
写真は大正時代の絵葉書です
8 旧五合目(新六合目):半蔵坊(2590m)

営業中
2022年より営業再開、御殿場口がぐっと登りやすくなりました
9 旧五合目:キリン亭(2640m)

廃業
写真は大正時代の絵葉書です
10 気象庁の観測小屋(2750m)

小屋はありませんが、付近で観測機器が稼働中
11 旧五合五勺:天地の境(2775m)

廃業
12 旧下り6合目・山小屋跡(2790m)

廃業
13 旧六合目:寳永館(2830m)

廃業
謎の鉄わらじが残されています
写真は大正時代の絵葉書です
14 七合目:日の出館(3030m)

休業中
残念ながら建物の一部が損壊しています
15 七合四勺:わらじ館(3090m)

営業中
2011年からシーズン中の通常営業を始めました
16 七合五勺:砂走館(3110m)

営業中
2011年に新築されました
17 七合八勺:梶小屋(3200m)

廃業
かつて富士登山最多記録(1672回)を持っていた強力の梶房吉さんの山小屋です
18 気象庁の避難小屋(3230m)

観測機器が稼働中
19 七合九勺:赤岩八合館(3290m)

営業中
2008年に皇太子殿下(令和の天皇陛下)がご宿泊されました
20 八合目:見晴館(3390m)

休業中
建物は倒壊し廃材が残っています
21 九合目:鬼熊小屋

廃業
経営者は強力の鬼熊さんです
写真は大正時代の絵葉書です
22 御殿場口頂上:銀明館(3710m)

休業中
富士宮口の「頂上富士館」の別館だそうです
2013年〜2015年 まで富士山頂郵便局として営業していました
そのため、少し手直しすれば営業再開できそうです

富士山で新規に山小屋を建てる事はできませんが「休業中」となっている山小屋は、やってみたいという人が現れれば営業再開できる可能性があります
だれか採算は度外視で(^^; 御殿場口で山小屋を経営してみたいという奇特な方は居ませんかね。。。


筆者が参考にしたHPです
富士山についてとても詳しく記載されていて、大変参考になりました

続・工場長の「山ばっかり、、、酒ばっかり。。。」 御殿場口あれこれ
富士登山情報サイト ROUTE5
富士山須山口登山歩道ホームページ  富士山 須山口 登山道の歴史



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